2025年10月18日
グランプリシリーズ2025第1戦 アンジェで飛翔する日本選手たち

フランス・グランプリ開幕! 中井亜美トリプルアクセル成功、りくりゅう充実の演技でトップに立つ

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2025-2026シーズンの本格的なスタートを告げるグランプリシリーズ2025第1戦、フランス・グランプリが10月17日、アンジェ・アイスパルクで開幕しました。初日は女子とペアのショートプログラム(SP)が行われ、女子で17歳の中井亜美選手(TOKIOインカラミ)がトリプルアクセルを決めて今季SP世界最高得点となる78.00点で首位、坂本花織選手(シスメックス)が76.20点で2位につけています。住吉りをん選手(オリエンタルバイオ/明治大学)は71.03点の4位からフリーに臨みます。

ペアSPでは、三浦璃来&木原龍一組(木下グループ)は2季目を迎えるSP「黒く塗れ!」で密度の濃い演技を見せて、シーズンベストに近い79.44点の1位。フリーに向け盤石のスタートとなりました。選手たちのコメントをダイジェストでお送りします。

女子SP首位 GPデビュー戦でいきなりトップに立った中井亜美

ーー トリプルアクセル成功について。

中井 6分練習で着氷することができたので、あとは自信をもつだけというふうに、もう(踏切前の)バックアウトの時点からもう跳べる感覚が頭の中でできていたので、それが現実になってうれしいです。73点くらいかと思っていたんですけど、まさか78点もらえるとは思っていなくて、まあやってきたことがちゃんと出せたからかなと思います。試合では跳べる感覚があまりなかったのが、今回はあって、「あ、これはできる」と思って、思いきったらできた感じです。6分が終わったあとから、ガッツポーズするところまでイメージできていたので、それがいい方向につながったかなと思います。(グランプリデビューの)今日の演技は100点です。練習からノーミスができていたので、それがイメージにつながったと思います。

―― シニアデビューにあたって。

中井 朝は本番に対して若干緊張もあったんですけど、その後はいつも通りやれば大丈夫と思っていて、ホテルを出る前にお母さんと一度電話して、「笑って楽しめば絶対できるから」と言われたので。(中庭コーチに)「シニアデビューで初めてだから感謝を忘れずに」と言われた瞬間、そうだって思って緊張が飛んでいって、がんばるぞと。フリーの曲が変わってしまったことに対しては焦りもあったんですけど、やっぱり宮本賢二先生は小さいころから見てくださっていたので、そこには全然焦りがなくて、あとショートに関しては高橋大輔さんがブラッシュアップを一緒にしてくださって、そこから表現面も自信をもってやることができたので、それが点数につながっているかなと思います。フリーもこの流れで行きたい。練習からしっかりできているので、本番でできるようにイメージをもってがんばりたいです。

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女子SP2位 伸びしろを残しつつシーズンベストの坂本花織

―― SPの演技について。

坂本 めちゃくちゃ慎重に行きました。ジャンプ3つともよく耐えたなという感じで、耐えながらも、76点が出たというのは、やっぱり伸びしろだなと思いました。アップまでは本当に緊張しなかったのに、いざ自分の番に近づいていったら、心臓の音が聞こえるくらい緊張してて。その影響を最小限にしようと慎重になりました。シーズン序盤って感じの緊張感やな、みたいな感じ。ジャンプは危なかった。(冒頭の)ルッツがまず危ない時点でめっちゃ焦って、最近練習ではルッツはハマっていたので、いちばん安定していて安心できていたジャンプで、今日はひやっとしたのが、しかも冒頭だったので、その影響は若干あったかなと思います。

―― 再びタッグを組んだフランス人コリオグラファー、ブノワ・リショーの振付について。

坂本 超滑りやすいです。曲に急かされないのが大きいかな。去年の経験を踏まえて、今年の選曲は当たってたなと思いました。(ブノワ・リショーの振付で高得点が出たことで)正直、これはもう期待はしていました。これが欲しかった。ここ3シーズン、ヨーロッパで点数が出にくくて、まず振付師のみなさんが花織のために作ってくださったのは大前提として、ヨーロッパ要素がなさすぎたのかなと。いかに私のこの性格に合ったプログラムを出すかをやってきたんですけど、やっぱりそこが……。やっとこのシーズンで、こういうザ・ヨーロッパみたいな感じの曲だし振付だし、それで望んでいた結果になったかなって、ちょっと安心しました。いやだいぶ安心しました。フリーはショートよりはできる自信もあると思うので、しっかりご飯を食べて、しっかり寝て、コンディションを整えていけると思います。3シーズンの経験を生かしつつ、今シーズンみたいな。

女子SP4位 最後まで集中して滑り切った住吉りをん

―― 演技について。

住吉 今日は6分間練習からまったく緊張していないなと感じていて。緊張はしていないけど、集中するという状況が自分の中で作ることができて、最後まで集中したまま気持ちよく滑りきることができたので、すごくその点は良かったなって思うんですけど、3+3 がしっかり自分の中では綺麗なものができた感覚はあったんですけど、qマークがついてしまったので、そこはすごく悔しいところではあります。

―― 表現の柔らかさがとても印象的でしたが、勢いよく跳んでいくところと、この曲調との関係性はどんなふうに受けとめていますか?

住吉 このプログラムを作りたての時は、動きにすい寄せられていうか、ジャンプもタイミングが遅くなるところもあったんですけど、練習している間にしっかりジャンプはジャンプで独立させて自分のタイミングで跳べるようになりました。プログラム自体は、すごく情感を込めることで、ただ気持ちさえ込めればきれいに動けるっていう状態まで練習を積むことができています。今日は本当にとにかく表現するところまで気持ちを込められたかなって思います。

―― 次はフリーで4回転を。

住吉 そうですね。(今日トリプルアクセルを成功させた)亜美ちゃんに続いて。(笑)ライバルではあるんですけど、高い点(の技)をやっている身としては、誰が成功しても、すごい、がんばってるな、と純粋に思うので、私自身もそれに続け!という感じでできたらなって思います。

女子フリーは、10月18日(土)14:40(日本時間21:40)から行われる。

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りくりゅう、2季目のSPで磨き上げられたパフォーマンス

―― 2季目を迎えるSPについて。

木原 ちょっとミスがありましたけど、ベストに近い点数が出せたので、よかったと思います。

三浦 去年も完成度の高いプログラムだなと思ったんですけど……

木原 自分で言うか?(笑)

三浦 違う、シェイ先生に作っていただいて、最初から最後まで詰まったプログラムで最初は大変だったんですけど、去年が最高のかたちだと思っていたんですけど、今年は合宿させていただいてさらにいいものをツメツメでいいものができたので、今シーズン通してもっとよくなると思います。

木原 去年はまだ初めての新しい振付師の先生で、プログラム自体もシーズン前半は自分たちのものにできていなかったんですけど、1年通して自信もつきましたし、今年は課題に合わせて音の編集を変えたり、すごく自信のもてるプログラムになっています。

―― 演技後の思いは。

木原 CS2大会でレベルの取りこぼしがショートであったんですが、今日はレベルが取れた。スピンでミスが出てしまったのは次がんばろうかなと。GP初戦なので十分です。

三浦 (前試合の)ネーベルホルン杯よりもさらに力を抜いて、自分たちらしい滑りが最初から最後までできたので、よかったなと思います。

木原 安定して自分たちの点数が70点台後半に乗ってきているので、そこは大きいかなという。

三浦 先シーズンの失敗……ではないんですけど、そういった出来事が、今シーズンいい方向に向いてるなと思います。

―― グランプリの大会の選択について。

木原 1戦目と4戦目がいちばん感覚的に調整しやすいですし、どうしても今年はファイナルが日本なので、本当はNHK杯は自国グランプリなので出たかったんですけど、調整が難しい。ファイナルを目指そうと思ったときに、スケジュールのことも考えました。

―― 体調管理のために工夫していることは。

木原 海外試合に行ったときは現地のものを食べることが多かったんですけど、今年からアルファ米やレトルト食品を持ち込んだりして、あとトラベル用の鍋を持っているので、乾燥鍋の素みたいなのを使って作りました。CSネーベルホルンのときも、昨日も鍋を作って。今回、ホテルがキッチン付きなので、自炊してました。

三浦 一昨日?はキムチ鍋。

木原 鶏もも肉がなかったので鶏むね肉を入れて、あとゆでたまごを入れたり。キッチンがあるので自炊が楽です。

―― 時差調整の工夫。

木原 飛行機に乗ってすぐ寝るようにしました。去年表彰式でパリに行ったときに、欲張って機内食を食べようと起きていたら体調を崩したので、それがいい経験になって、ヨーロッパに来るときは絶対飛行機で全部寝ると決めたので、最初から全部寝ると計画して、着いてすぐ動けるようにやってきました。今年は意図的にヨーロッパの試合を組んでいるので、いい練習かなと。

三浦 ここの夜はカナダが昼の時間帯なので、全然苦じゃないです。日本だと寝れない。

木原 (会見でプロテインを飲んでいたのは)栄養士の方から試合終わったあとに糖質が取れるようにとアドバイスをいただいていたので、プロテインだったり、ゼリー系だったりを全部入れて、回復するようにしています。

ペアフリーは、10月18日(土)の20:00(日本時間19日03:00)から行われる。

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