9月7日まで大阪・関空アイスリアリーナで行われたISUチャレンジャーシリーズ(CS)木下グループ杯。ペアで三浦璃来&木原龍一組が合計222.94点で盤石の優勝し、長岡柚奈&森口澄士組がすべての自己ベストを更新して3位と躍進。男子シングルでは、友野一希選手が2位で表彰台へ上がりました。シーズン序盤から熱戦が繰り広げられたCS初の日本大会の最終日を、選手たちのコメントとともにフォトギャラリーでお届けします。
ペア1位 三浦璃来&木原龍一「この夏やってきたことは間違っていなかった」
三浦「1コケとサルコウのちょっとしたミスでフリー143点を取ることができたのは本当に大きな成長だなと思いました。ノーミスでやれば145点も夢ではないので、それに向けて、(次戦の)ネーベルホルンに向けて練習していきたいなと思います。自分たちがこの夏やってきたことは間違っていなかったので、それを継続していって、今回ミスしたエレメンツを重点的にやっていこうかなと思います。(フリーのテーマ“道を切り拓く”について)つらいときもあったり、乗り越えた壁の数が本当に多かったので――」
木原「反省点はもちろんあるんですけど、まずは初戦を怪我なく終えられてよかったなと思います。ミスはあったんですが、昨季の世界選手権に近い点数を初戦からこの時期に出せるのは大きいのかなと。昨季は積み上げていったものがようやく世界選手権で評価をいただけるようになったんですが、今季は早い段階からいい点数を積み上げられているので、試合を進めるごとに徐々にステップアップできればいいかなと思います。(フリーのテーマ“道を切り拓く”について)いいときもあれば、悪いときもありましたし、うれしいときも、悲しいときも、いろいろあったんですけど、それをすべて経験して、それを全部こめているかなと思います」
ペア3位 長岡柚奈&森口澄士「表彰台でのハグは特別」
長岡「まだ改善するところはたくさんあるんですけど、シーズン初戦でこの点数をいただけたことは、すごく成長した証だなと思います。今回の試合で得た経験と改善点とよかったところを踏まえて練習に生かして、(最終予選まで)あと2週間しかないですが、しっかり自分たちで枠を掴みとれるような練習を積んで、本番自信を持って挑んでいきたいなと思います。国際試合で初めてりくりゅう選手と同じ表彰台に立ててすごくうれしくて、表彰台でするハグはやっぱり特別に感じます」
森口「課題ができたこともいいことですし、すべてポジティブに捉えて次に進んでいけたらなと思います。(最終予選は)どこの国に勝つとかではなく、ただ自分たちの目指しているものをするだけ。今回のようにトップの選手を追いかけて、自分たちが目指すところを見て、演技するだけかなと思うので、がんばります! 去年の全日本も今回も龍一くんが毎回『絶対にオリンピック一緒に行こうな、がんばれよ!』と言ってくださるので、本当に一緒に行きたいと思ってくれているのも伝わるし、めちゃめちゃ応援してくれているのもすごく伝わるので、さらに燃えて練習がんばろうと思いました」
男子2位 友野一希「見てなくても勝っている、阪神のような試合がしたい」
内容的には、4回転をショート、フリー合計2本以上決めたいというのがあるなかで、単発は2本決めることができて、サルコウのパンクは悔しかったんですが、4回転に関してはスムーズに入り、勢いよく跳べていたのでよかったです。フリーに関しては、ループ、フリップ、アクセルだったり、絶対に点数として取るべきところをほぼほぼ取れていなかったので、詰めが甘かったかなと思います。
順位は気にはしてなくて内容重視でいたんですが、阪神が優勝争いしているなかで、自分もマジック1だったんで優勝決めたいのがあって、そこが悔しかったのと、地元大阪というのもあったし、四大陸(2022年ジュンファン優勝、友野2位)のリベンジもあった。ジュンファンに勝ちたいというのもあったんですが、ミスがあっても、あれだけ点数をしっかり残して、決めるところはしっかり決めて、演技を見ていてもさすがだなと思いました。阪神は決めるところしっかり決めて、打ってほしいところでちゃんと打つので、自分も(目指すのは)そういうところかなと思います。サトテル(佐藤輝明/阪神三塁手)は同世代なので、佐藤選手は勝手にすごく応援しています。前回(2023年)優勝を経験しているので(優勝決定を待っているときの)心の余裕が今回は違う。それぐらい、見ていなくても勝っている……自分もそういう試合がしたいですね。
男子1位 チャ・ジュンファン「応援のおかげで最後まで滑り切れました」
ちょっとまとめ切れなかったところもありますが、プログラムを通して挑戦と戦いを続けることができたと思います。自分の現在地と、いまの自分がプログラムをどのくらい遂行できるかも確認できたので、シーズンの始まりとしてはとてもいい経験になりました。ぼくの感覚としては、練習ではもうちょっとうまくできるんですけどね。ただ、ここを機に試合に慣れていくところだから、うまくいかないのも自然なこと。ここで学んだ多くのことを次戦までの2週間で取り組んで、もっといい滑りができるようにがんばります。(演技後に首を振っていたのは)最初のジャンプをパンクしちゃったのにがっかりして。練習だと安定して跳べていたので。でもこれは起こりうることなので、もっと練習していきたいと思います。
SPもフリーも多くのお客さんがぼくらのことを応援してくれていて、今日またみなさんの前で滑れるのがすごくうれしかったです。疲れちゃったなってときも、応援のおかげで自分を鼓舞して、最後まで滑り切ることができたので幸せに思います。もうちょっとこのプログラムをうまく表現できるんじゃないかとは思っていたんだけど、初戦ということもあって……そこはもっと改善に取り組んで、より「ムーラン・ルージュ」を表現できればと思います。この2つのプログラムを、心の内から表現して魅せられるようになるのが、ぼくの今シーズンのいちばんのゴールです。

アイスダンス1位 ローリオ&ル・ガック「2つの最高のコーチングチームに支えられて」
ローリオ「昨シーズンが1月のカナダ選手権で早く終わってしまったので、自分たちに問いかけていくつかのことを変えました。それで氷の上での感触もよくなり、お客さんやジャッジともそれを共有できていると感じています。いいスタートが切れたのは、1つの理由からではなく、いろんないい変化の結果。モントリオールから、ロンドンのスコット(・モイア)やマディ(・ハベル)のもとへ普段の練習拠点を変更して、いまはモントリオールのチームも助けてくれている。2つの最高のチームが私たちのために動いてくれていることが、大きな理由だと思います」
ル・ガック「リズムダンスはほとんど練習通りにできましたが、フリーも悪くはないけど、もう少しできるところがあったと思います。でも、どちらもパーソナルベストを更新して、合計含めて3つのパーソナルベストを出せたので、誇らしく思います。ぼくらのISUバイオの自己ベスト欄には『KINOSHITA GROUP CUP』が並ぶはず。(笑)ぼくらは12年ほどモントリオールで練習していたので、いまはまた普段の練習から新鮮な気持ちを感じられています。拠点の変更自体は7月のはじめだけど、その前にも2月に2週間くらい振付でロンドンへ行ったりしていました。そのときはモントリオールに戻りましたが、2週間では自分たちを変えるには短すぎると感じて、もっと1歩踏み出さないといけないと、ロンドンへ移りました。でもモントリオールとロンドンの連携です。フリーダンスは、エレメンツをモントリオールのロマン(・アグノエル)たちと準備したうえで、ロンドンでマディとアドリアン・ディアスが振付け、スコットがあちこちにスパイスを振りかけてくれました」
