高橋大輔「人の手を借りることによって、よりいっそう大きな力が生まれる」
倉敷での撮影期間は昨夏、3週間に及んだ。高橋は「ぼくは倉敷といっても、連島のほうなので、倉敷市の付近からはちょっと遠いんです。30分くらい。ほくも若いときから大阪に行ったりとかしていたので、撮影中はけっこういろんな店に行かせていただいて。行った店行った店がすごく素敵で。ひとりで結構行ったんですけど、すごく気さくに話しかけてくださったり、おいしいものを食べたり、自分のなかでも新しい倉敷をどんどんちょっとずつ発見しながら過ごしていたので、それが1つの楽しみでした」となつかしそうに振り返った。
倉敷ロケの思い出を楽しく語り合ったのち、最後に5人は、観客へのメッセージを伝えた。
山時は「この映画は1人の勇気ある行動がいろんな人に影響を与えて、それがすごく大きな力になるっていうことがいちばんやっぱり大事だと思っていて。本当にこの作品をたくさんの方に届けたいです」と力をこめ、「ぼくの言葉でもいいですし、(ここに並んでいる)みなさんがたぶんこれから喋る言葉は素晴らしい言葉だと思うので、そのまま伝えるのでもいいですし。とにかく1人1人でつないでもらえたらいいなと思います」と続けた。
中島は「本当につなぐ映画。撮影期間中もつないでもらって支えられながら撮影し、これからもまたみなさんを通してつないでもらったり。この映画を見て、蒼の勇気ある行動、蒼が大人たちを説得してくれて、花火を上げようとなり、そういうふうに紅子の背中を押してくれたみたいに、誰かの背中を押せたらいいなと思う。そういうふうに見てもらえたらいいなって、だれかにも伝えてあげてほしいです」と思いを伝えた。
高橋は「この映画、いろんな世代の方に見ていただきたいなと思っています。世代によってたぶん見え方ってすごく変わってくるんだろうなと思いますし、そのなかでも、自分が好きなことであったり、やりたいことであったりとか、そういったものに情熱を注げるということは、すごく幸せなことなんだなと。それをするには、たくさんの人の力が必要だったり、つなぐというか、人の手を借りていくことによって、よりいっそう大きな力が生まれるんだということを、改めてすごく感じられるような映画になっていると思うので、ぜひいろんな方にこの映画をおすすめいただいて、新たに一緒に時間があった時に見にきてくださったりしてくれたらうれしいなというふうに思います」
前野は「美観地区に花火が上がることがいかに難しいかわかっていた。映画のなかでないと見れない世界にすごく感動した。倉敷出身でよかったと思えた1シーンでした。やっぱり映画館じゃないと伝わらないと思うので、ぜひみなさんにつないでもらって。とくにSNSはいいと思いますよ。ぜひみなさまのお力をお借りして、この映画を全国の映画館に広めていきたいと思います」と呼びかけた。
最後に平松監督は「あるとき、取材をしてくださった方が『すごく泣きました』と言うので、どこで泣いたか聞いたら、いくつか教えてくれたんですけれども、そのなかで『ホースで水を撒いている消防団の人を見て泣けました』って。それが素晴らしい意見だと、私は思ったんですよ。これはそういう映画なんだよね、要するに、街で暮らす隅々に至るまでの人たちが生き生きと暮らせる街でありたいっていう、そういう映画なんだよと思って、ものすごくうれしかったのを覚えています。結局『つなぐ』ということなんですけれども。SNSもいいんですけれども、生の声でつないでもらって、できれば一緒にもう1回見に行こうとか手を引っ張って、つないでもらえたらすごくうれしい」と力を込めた。
映画「蔵のある街」は、7月25日よりMOVIX倉敷で先行公開。8月22日より、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー。7月29日には、完成披露上映舞台挨拶が新宿ピカデリーで開催される。