浅田「今後はアカデミーに集中。プロスケーターとしての活動は“ハーフ・ハーフ”」
会見内で質疑応答の時間が設けられ、浅田さんがアカデミーへ向けての思いや、プロスケーターとしての活動など、今後についてを語りました。
―― 努力することを教える立場になると思うのですが、浅田さんならではの努力のし方や大切にしていることがあれば教えてください。
浅田 指導者としては初めての経験となりますので、これからいろいろスタートしながら、自分もしっかりと考えて指導していきたいなと思っています。やはり「スケートを好き」という気持ちでなければ、努力もできないと思いますので、スケーターのみなさんが、どんなことがあってもスケートが好きという気持ちだけはなくさないように、私たちが指導していきたいなと思っています。
―― 選手時代にこんなアカデミーがあったらいいなと思っていたことを詰め込んだとのことですが、具体的にはどんなところでしょうか。また、これまでのコーチの方々のなかで理想のコーチ像などありましたら、教えてください。
浅田 スケートの練習だけではなく、バレエ、トレーニング、新体操をすべて建物1つで完結できるような、とてもありがたい環境で練習することが何よりスケートのためになるんじゃないかなと思い、今回こういったプログラムを組ませていただきました。そして、私が選手のときにお世話になったコーチはたくさんいらっしゃるんですけども、 やはりどのコーチもみなさんとても愛のあるコーチの方々ばかりだったので、私もその愛を忘れないように、これから指導していきたいと思っています。
―― 以前、世界一の選手を育てたいという思いを語っていらっしゃいましたが、その点についてはいまどのように思われていますか。
浅田 まだまだスタートしてない段階で、これからスタートとなりますので、本当に地道に1歩1歩自分も成長しながら指導していきたいと思っています。長い目で見て、夢としてはやはり世界に羽ばたいていってもらえるようなスケーターを育てることです。
―― 現在のフィギュアスケートを取り巻く環境について。
浅田 スケートを始めたくても、スクールやクラブに入れない子どもたちもたくさんいますので、そういった意味では、私も木下MAOアカデミー、木下MAOクラブを設立いただけることで、少しはスケート界にも貢献できるのではないかなと思います。
―― アカデミーでは選手育成にあたるとのことですが、浅田さんからご覧になって、スケーターの才能はどんなところに感じられるものでしょうか。
浅田 やはりフィギュアスケーターは、まったく同じスケーターがいないというところが、見ていてもすごく素敵だなと思うところだと思います。同じプログラムを、同じ振付で踊ったとしても、滑るスケーターによって全然見え方が変わってくるというのが、何よりすごく素敵なスポーツだなと思いますので、今後どういったスケーターと出会えるのかもすごく楽しみです。
―― 今後、プロスケーターと指導者としての活動は、それぞれどう進んでいくのか教えてください。
浅田 今後につきましては、いまのところ「木下MAOアカデミー」と「木下MAOクラブ」の指導に全力集中するというかたちで進んでいきたいと思っています。
―― アカデミーに応募できる年齢を小学3年生までという低い年齢で設定した意図はどこにあるのでしょうか。
浅田 フィギュアスケート界は9 歳、10 歳からノービス選手権に出られるということで、木下MAOアカデミー、そして木下MAOクラブで成長したスケーターが世界に羽ばたいていってもらいたいという思いがとても強くあります。9 歳で完成されているスケーターもいるかもしれないんですが、できるだけこの木下MAOアカデミーで育てていきたいという思いが強くて、9 歳までと設定させていただきました。
―― 指導者になるにあたって、コーチングを学ぶ機会はありましたか。
浅田 コーチから学ぶということは、改めてはないんですが、私自身もう一度フィギュアスケートの基礎を0からいま見直しているところです。
―― 先ほど、今後はアカデミーに集中するとおっしゃっていましたが、プロスケーターとしてはひと段落なのか、肩書は残したまま指導もされるのか、そのあたりはいかがでしょうか。
浅田 プロスケーターの活動については……「ハーフ・ハーフ」です。ちょっと久しぶりに言いたかったので、すみません。(笑)現時点では、プロスケーターとしてのアイスショーは決まっていないので、まずは「木下MAOアカデミー」に全力集中で進んでいきたいと思っています。
浅田 よかったです。どこかで「ハーフ・ハーフ」を言いたいなって、言えるタイミングなかったかなと思ったあとに、最後にありがとうございました。(笑)
―― 次の次の次のオリンピックを目指すと2034年になると思いますが、オリンピックに選手を連れていくということに対してはどんな夢や理想を持っていますか。
浅田 自分自身がオリンピックに出場しているときは、自分がここまで本格的にこんなにも早く(指導者として)スタートするとは思っていなかったんですけども、先ほど木下代表がおっしゃっていたように、次の次の次のオリンピックを目指してほしいと強く背中を押してくださったので、私自身も本当にその夢が叶うのであれば、そんな嬉しいことはないですし、夢は大きく、その目標に向かって進んでいきたいなと思っています。
―― いずれ試合のキス&クライで浅田さんが選手の横に座る姿を見られるのでしょうか。
浅田 現状、コーチの資格を取らなければ、試合に帯同できなくなるということなので、私もその資格を早く取れるようにいま準備を進めています。
―― キス&クライでの浅田さんの姿はファンの方も楽しみにしていると思います。
浅田 いつも応援してくださっているみなさんに、少しでもがんばっている姿をお見せできたらいいなと思っています。