2024年9月18日
『ワンピース・オン・アイス2024』開幕直前!インタビュー特集②

INTERVIEW 織田信成「ウソップは誰にも譲らんぞ!」

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もっともっと振り切ったウソップを見せたい

―― 舞台裏はどんな雰囲気だったのでしょうか。
織田 みんな『ONE PIECE』大好きなんですよ。だから、フィギュアスケートで『ONE PIECE』を上演するときに、こんなものかと絶対に思われたくないというスケーターとしての矜持とプライドをみんな感じていて。楽しい格好をしているから、裏でも楽しいんちゃうかなと思われるでしょ? 意外とみんな緊張していて、試合行く前くらいの集中感なんですよ。練習にみんなで打ち込んできたことを絶対に無駄にしたくないという思いもあり、みんなスンとしている。(笑)緊張感という意味では、このままシーズンに入ったらいいんじゃない? くらいでしたね。

―― だからこそハイレベルな一体感が生まれたんですね。
織田 すごく回ったり、跳んだりする振付ではないので、準備はそんなにいらないんじゃない? と思うかもしれないですけど、キャラクターの立ち姿勢や見せ方、声優さんの声に合わせて表現することに全集中して振り切っているので、スケーターとしては慣れない動きに緊張する感覚はすごくありますね。

―― いっぽう、織田さんはこの春から夏のショーでは、新しいナンバー「桃太郎」で、コミカルでありつつ9本もジャンプを跳ぶとんでもない構成を滑りましたよね。
織田 いや「桃太郎」は、えっとね。(笑)歌詞のなかに、ゲームの高橋名人の1秒間16連射になぞらえた部分があって、振付のakaneさん(振付師。バブリーダンスで知られる)とプログラムを作るときに、akaneさんはスケートを知らないから、「じゃあ16回ジャンプを跳ぼう」って言い出して。「いや、バカバカ! 16回も跳んだら足が取れちゃうよ(涙)」っていう話になったんですけど。結局、ジャンプは9本で、そのほかにバタフライとかの跳ぶ動きでカウントを16回にしようということになりました。なんでそうしたかというと、「桃太郎」の曲は面白すぎるんだけど、やはり「楽しい」と「すごい」が共存しないとだめだと。楽しいだけでもだめ、すごいだけでもだめ。「桃太郎」は面白いけど、でもその裏でジャンプを9本も跳んでいるんだという、その鬼畜さが面白いんだと思うんですよね。甘さのなかに塩を足すと、甘さが引き立つみたいな、理論的にはそういう感じでやろうね! と。ぼくもその考え方にはすごく共感したので、がんばりました。

―― 「桃太郎」で身体をビルドして、『ワンピース・オン・アイス』でウソップに全力投球して、そこから競技シーズンに入っていくわけですね。
織田 「桃太郎」も表現に振り切れた部分があったんですけど、ウソップは去年ちょっと控えめなところや「これ、怒られない?」という気持ちもあったので、もっともっと振り切ったウソップを今年は見せられると思います。あと、前回サンジとかが注目されたじゃないですか。で・も・ね、ウソップはやっぱりおもろいので!! 注目をウソップに集めるくらいの気概で、ルフィやサンジやゾロに行っている目をウソップに持っていけるよう、「負けへんぞ」という気持ちでやっていきたいですね。麦わらの一味同士にもライバル感があって、目立つのはゾロとサンジですけど、ウソップも負けたくない、足手まといになりたくないという思いが強いので、ぼくもその気持ちを強く持って、追いつけ追い越せの精神で、ほかの麦わらの一味にも勝つぞくらいの勢いでやっていきます。織田くん以外のウソップは考えられないよねというくらい、存在をもっと強く、大きな幹にしていきたい! この立ち位置は誰にも譲らんぞ!(笑) それだけぼくもウソップ、大好きやから、これから先も強い気持ちでウソップを獲りに行きます!

―― 再演のウソップ、楽しみにしています。ありがとうございました。
(2024年7月、都内にて取材)

プロフィール
織田信成(おだ・のぶなり) 1987年3月25日、大阪府生まれ。2006年四大陸選手権優勝。2008年全日本選手権優勝、2010年バンクーバー・オリンピック7位。2013年グランプリファイナル3位。2013年に一度競技を引退するも、アイスショーやオープン大会でも4回転ジャンプを含む高いパフォーマンスで観客を沸かせ続け、2022年11月に現役復帰。昨季は西日本選手権優勝。
▶イベント開催情報
『ワンピース・オン・アイス~エピソード・オブ・アラバスタ~』
9月7日(土)、8(日)/LaLa arena TOKYO-BAY 各日2公演 全4公演 8日各公演は配信チケットあり
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