『ワンピース・オン・アイス~エピソード・オブ・アラバスタ~』の再演を前に、キャストのみなさんに意気込みを伺うインタビュー特集の第2回には、ウソップを演じる織田信成さんが登場です。初演のキャスト発表の瞬間から誰もが認めるウソップとして、スケートでもキャラクターでも大のハマり役だった織田さん。再演に向け、熱く燃える闘志を語ってくれました。
作っている側が感動している現場は、絶対成功する!
―― 『ワンピース・オン・アイス』の再演決定、どんな思いで受け止めましたか。
織田 本当にうれしい限りで、ぼくはもう「ある!」と思っていたので、決まったときは安心しました。昨年、初演が終わったときに、いままでのアイスショーになかったような、本当にすごいものを作ったんじゃないかという手ごたえがあったので。だからまたみんなと同じ作品を作れるのはうれしいです。本番が9月1週目なので、現役選手はシーズンに向けて本格的に練習を追い込んでやる時期ですが、そのタイミングでもみんな集まってくれた。ぼくも月末にブロック大会があるんですが、それでもやっぱり「行きたい、やりたい!」と思いました。ぼく自身、去年この作品に出られて、出来上がりを見て本当に感動したし、キャスト誰ひとり欠けることなく再演できると聞いて、みんな同じ気持ちでいてくれるんだなと感じます。キャストのみならず、舞台さん、照明さんまで含めたスタッフの方々の熱量がすごい。やっぱり、作っている側が感動している現場って、絶対成功すると思うんです。『ワンピース・オン・アイス』にはそれをすごく感じています。
―― 織田さんはもうはじめからウソップそのもので、みなさんに頼られていたのでは?
織田 ウソップに関しては「そのままでいいよ」と言っていただけて、ご指導もちょこっと手直し程度でした。(笑)ありがたかったですけど、だからこそ、みんなの力になりたいと思っていました。基本的にぼくは、どのアイスショーでも、なるべく置いてきぼりになる人を作りたくない。だからあまり話せていないなというときに場をつないだり、このショーなら昌磨くんと喋りたい人がいっぱいいたと思うから、みんなで喋れる空気をつくったり。仲がよくてなんでも話し合える関係じゃないと、ショーの出来にも表れちゃいますからね。
―― そんなお兄さんの目から見て、宇野昌磨さんのルフィはじめみなさんの成長に関してはどんなふうに見えていましたか。
織田 昌磨くんは本当にすごいと思いました! 「え、いや、できるやん!」みたいな。座長として、主役として背負っていかなくてはというプレッシャーにさらされていたはずだけど、きちんとその背中を練習のときから見せ続けていた。昌磨くんがこれだけがんばっているんだから、ぼくたちもがんばらないといけないよねって、全員思っていたと思います。こんな姿、いままでなんで隠していたの? というくらいで、ぼくはおじさん目線で本当に感動したし、きっと同じ気持ちのファンの方々も多かったんじゃないかと思う。改めて宇野昌磨の表現の幅を見せてもらって、本当にすごいなと思いました。引っ張り方にもいろいろあって、昌磨くんは性格的に黙々とがんばることでみんなに伝わるタイプ。ぼくみたいな、行こうぜ! やろうぜ! というのとは違って、キャストで円陣を組むときも、組み終わってから「ここはルフィでしょ」とみんなから押し出してもらえる感じが、昌磨くんの引っ張り方だったと思います。