INTERVIEW シドニー・ベリエ 「スケートの旅を続ける最高の場所」
―― 日本ツアーはいかがですか。
「日本でのパフォーマンスをとても楽しんでいます。ショーを観てくれるみなさんからの素晴らしいリアクションに、楽しませてもらっています。とくに『ラーヤと龍の王国』のラーヤへの歓声がうれしいですね。それまでは控えめだった観客のみなさんが、私が空中に飛び上がった瞬間に興奮で目を輝かせてくれて、日本でやりがいとおもしろさを感じさせてくれる瞬間です」
―― スケートとの出会いについて教えてください。
「スケートは5歳のときに始めました。フィギュアスケートの衣装に惹かれて、母に私もあれがほしいとお願いしたことがきっかけです。母からは『あれを着るにはスケーターにならないといけないのよ』と言われたんですが、いまではディズニー・オン・アイスで、役に合わせて、これでもかというくらいいろんな衣装を着ることができています。リンクまで2分くらいの近いところに住んでいたことも、助けになったと思います」
ーー 憧れていたスケーターは?
「小さなスケートクラブにいたんですが、そこで一緒に練習していたスケーターたちに憧れて育ちました。ディズニー・オン・アイスに行った仲間もいたんですよ。でも、オールタイムベストで見るのが好きなスケーターは、ネイサン・チェン、ジェイソン・ブラウン、羽生結弦です」
―― ディズニー・オン・アイスに入りたいと思うようになったのは、どんなきっかけでしたか。
「スケーターとして成長するなかで、自分は競技のために滑るよりも、いいパフォーマンスを届けたいと思って氷上に上がるときのほうがうまくいっているなと感じていました。見ている人を楽しませるために、自分の芸術性と技術の両面を見せられていると思えるときほど、私自身も喜びを感じていたんです。コーチのほかの教え子がすでにディズニー・オン・アイスで活躍していたこともあって、さらに成長して、自分のスケートをどこまで伸ばせるかを見るのにも、ディズニー・オン・アイスは私がスケートの旅を続けていくのにもってこいの場所なんじゃないかと思ったんです」
―― ディズニーは魔法のような体験を生み出し、世界中で愛されています。ディズニー・オン・アイスで滑るうえで、もっとも幸せを感じるのはどんなときですか。また、逆にもっとも大変だと感じるのは?
「いちばん幸せを感じたのは、地元のミネソタ州のみんなの前で滑れたときです。これまでのキャリアのなかで3度もミネソタ州の公演に参加できたのは幸運なこと。毎回、見に来てくれたみんなからのサポートと愛の大きさに驚かされました。何年も旅を続けてきたいまでも、どれだけ時が経とうと、みんなショーに足を運んでくれるんです。みんなが見て、応援してくれる。そのおかげで、すべての経験がより大切なものになっています」
―― 選手時代の経験で、現在のアイスショーで助けになっていると感じることはありますか。
「競技会で滑っていた経験から、プレッシャーのかかる場面でもプログラムのなかで難しいテクニックを遂行できるようになりましたし、自分自身も楽しんだうえで最高の演技をお届けできるようになったと思います」
―― 「Magic in the Stars」では、『ラーヤと龍の王国』のラーヤ役を演じていますが、どのような準備をしましたか。
「この役を演じるにあたって、2ヵ月ほどフロリダでショーで使用する舞台装置を使って練習して、技をこなせるように上半身のトレーニングをしてきました。幸いにも私は14年ほどエアリアルの経験があったので、おかげでスムーズに進められたと思います。スケートは5歳から始めたのですが、4歳からミネソタ州セント・ポールを拠点に活動している『サーカス・ユヴェントス』で、いろんな装置を使った訓練を受けていたんです。そして、ラーヤを演じる際にいちばん大切にしているのは、映画のなかの彼女がそうであるように、強く自信に満ちたキャラクターを描くことです」
―― ディズニーのなかでお気に入りの作品やキャラクターは?
「もちろんラーヤと作品の『ラーヤと龍の王国』は大好きです。それから、ずっと好きな映画は『ムーラン』。ムーランもラーヤと同様に力強く迫力のあるキャラクターですが、同時に、優雅で、聡明で、いろんな状況に対応できる柔軟なところも大好きです。そういう彼女だからこそ、激動のなかを切り抜けることができ、最終的には中国を守る助けになったのだと思う。そして、そのすべては彼女が父親を守るためだった。だからこそ、人々の心を惹きつける物語になって、彼女の人となりがいかに尊敬に値するかを証明していると思います」
―― ありがとうございました。このあとの公演も楽しみにしています。