2024年12月22日
37歳で4回転を!「マツケンサンバ」で盛り上げたい!

STORIES2024②織田信成、地元大阪で最後の全日本へ

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奇跡の37歳、いよいよ全日本へ。織田信成にとって、12月20日に大阪で開幕する全日本選手権が”最後の全日本”となる。織田が”最後の全日本”を迎えるのは、今回で2度目だ。1度目はソチ・オリンピックの代表最終選考会だった2013年大会(さいたまスーパーアリーナ)。総合4位となり、2大会連続のオリンピック代表入りは果たせず、大会終了翌日のメダリスト・オン・アイスで競技引退を発表した。今回は、事前予告したうえで迎える“最後の全日本”となる。

「スケーターとしての矜持や誇りをもう一回取り戻したい」

織田は2022年秋に競技復帰を電撃表明。2023-2024シーズンは全日本出場を目指して、近畿選手権に出場し、2位で表彰台にあがった。2013年末に引退後も、アイスショーの出演はもちろん、試合のコメンテーター、タレントとしてもテレビでもひっぱりだこだった織田。いったいなぜ競技の世界に再び挑もうと思ったのだろうか。

アイスショーで滑っていても、自分もコロナにり患したりして、体力がすごく落ちて、技術的にも落ちてしまって。スケーターとしての矜持や誇りをもう一回取り戻したいなっていう気持ちがすごくありました。今それがちょっとずつ戻ってきている感じです

2023年近畿選手権フリー後

全日本に向けて順調に走り出したように見えたが、2023年10月末、西日本選手権を前に、織田の全日本への道は閉ざされていることが判明した。引退したトップ選手が国内最高レベルの大会に出場するためには、6ヵ月前に日本アンチ・ドーピング機構(JADA)へ復帰届を出す必要があると定めている日本アンチ・ドーピング規程に触れたためだ。手続き上の不備で、全日本には出られないとわかっていても、織田は西日本選手権に出場した。SPではかなり精神的に参っていたというが、フリーを前に、母の憲子コーチから「思いっきり楽しんできたらいいから。思いっきり滑ってきなさい」と声をかけられ、気持ちを切り替えたという。フリーでは、国内で初めて4回転2本を決めるみごとな演技を披露し、逆転優勝を果たした。

「膝関節的に今シーズンが限界」

織田はあきらめなかった。「自分の人生を長く見ても、たぶん4回転を跳べるのもあと数年。去年はやっぱりまだまだ自分の限界じゃなかったので、もっともっと自分の限界に挑戦していきたい」。ファンや周囲の応援の声を受け、2024-2025シーズンも現役続行を決意した。

2024年全日本への道は、9月の近畿選手権から始まった。9月28日、大きな応援を背負ってショートプログラムに登場した織田は、予告していた「マツケンサンバ」を笑顔ではつらつと踊り、会場をおおいに沸かせた。演技を終えた織田は、今シーズン限りで競技を引退すると報道陣に語った。

今シーズンで現役は最後にしようと思っていて、SPの曲を探しているときに、自分らしさというか、楽しんでもらえる曲はないかと探しているときに、松平健さんの『暴れん坊将軍』と「マツケンサンバ」の広告を見て、これだ!と思ったんです。日本国民のソウルミュージックだと思っていますし、自分もその曲に乗って、しっかりフィギュアスケートの楽しさを伝えられたらいいなと思って、この曲にしました

2024年近畿選手権SP後

底抜けに明るいSP「マツケンサンバ」は、競技者・織田からの贈り物なのだ。「膝関節的に今シーズンが限界かなと。5月初旬に股関節を怪我してしまって、くしゃみすると響くくらい痛かったんです」と明かし、「スケーターとして一回り成長できる年にしたいなと思っています。全日本を最大目標にし、地元大阪で雄姿、というほどではないんですけど、背中を見せられたらいいかなと思います」と語った。

近畿選手権を3位で通過した織田は、全日本への第2ラウンド、西日本選手権(11月2~4日、名古屋の日本ガイシアリーナ)に赴いた。悪天候で東海道新幹線のダイヤが乱れたSPの日にも、多くの観客が来場し、織田の「マツケンサンバ」を楽しんだ。織田はSP、フリー、総合とすべて1位となり、2年連続で西日本チャンピオンに輝く。誰もが納得の結果で、目標としていた全日本選手権出場を決めた。

去年行けなかった思いも糧にして、全日本では盛大にサンバを踊りたい。ぼくは生まれも育ちも大阪なので、大阪のノリというか、フィギュアスケートって、笑っても大丈夫、笑顔になれるんだよっていうのをみなさんに感じてもらえたらいいなと。全日本は集大成ではなくて、年明けに国体とかがあって、そこが最後になるんですけど、集大成っぽく滑ります(笑)

2024年西日本選手権

>>次ページ:家族に支えられた今シーズン

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