2026年2月8日
24歳のアジア王者、苦楽を越えて3度目のオリンピックへ

【Pick Up】チャ・ジュンファン「いい結果、大変な時間、すべてに向き合ってきた4年間」

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2月6日に開幕したミラノ・コルティナ・オリンピック。フィギュアスケートも団体戦1日目から好演連発の大熱戦が繰り広げられました。日本選手たちの活躍はもちろん、各国のスケーターたちの努力が氷上に映るたび、感動の波が広がっています。7日はいよいよ男子シングルの選手たちが団体戦に登場します。今回は、韓国チームのキャプテンを務め、団体男子ショートプログラム(SP)に臨むチャ・ジュンファン選手の公式練習(現地時間2月5日)でのコメントをご紹介します。

有言実行の「強くなって戻ってくる」

韓国男子フィギュアの歴史を切り拓いてきたチャ・ジュンファンは、自身3度目のオリンピックを迎える。16歳で母国開催の平昌オリンピックに初出場、2022年北京オリンピックでは5位に入り、北京大会以降も2023年世界選手権で銀メダルを獲得、2025年にはアジア・チャンピオンに輝いた。いっぽうで、今シーズンは、スケート靴が度々故障するハプニングに見舞われて氷上練習が積めず、シーズン中盤戦は苦しい結果に。それでも、スケートへの思い、静かな闘志が韓国のエースを奮い立たせた。SP3位から総合5位となったNHK杯のあとには「グランプリシリーズはずっと心折られていました」と胸の内を明かしつつも、「いちばんありがたいのは戦い続けられていること。また強くなって戻ってきたい」と力強く宣言。その言葉通り、1月の韓国選手権を10連覇、四大陸選手権で2年連続の銀メダルを獲得してのミラノ入りとなった。

現地初日の練習では、練習中も取材中も笑顔を絶やさず、すでにオリンピックを楽しんでいるよう。スマートなテクニックと伸びやかな滑り、そしてソフトなカリスマ性で愛される24歳。いざ、3度目の大舞台へ。

―― 団体戦を前に、現在の調子はいかがですか。
ジュンファン ちょっと疲れています。(笑)昨日(現地時間4日)こっちについたばかりで韓国時間だと真夜中なので。でも、練習中はコンディションを整えて、時差にも慣れて、全体的によかったと思います。

―― 今季はスケート靴の問題がずっとありました。
ジュンファン 残念ながら今季はずっと問題があったんですが、いまは状態もよくなってきていて、四大陸選手権から練習も試合もこなすことができるようになってきているのでうれしいです。

―― いまの靴はいい感じ?
ジュンファン グランプリのあいだは試合中に靴を慣らさないといけない状態でした。すぐに壊れて換えていたので。いまの靴は韓国選手権のあとから使っているけど、2週間まるっと練習できて、四大陸選手権も戦い抜くことができた。四大陸選手権の前は、フルに練習できても、まだちょっと不安定なんじゃないかと思っていたんですが、大会中に自信をつけることができました。

―― オリンピックの前に国際大会に出ておくことは自身にとってどのくらい重要なことでしたか。
ジュンファン 大会同士が近くて疲れちゃうかと思っていたんですが、すごく大事な経験になったと思います。自信を取り戻すいい機会になったし、また自分を信じることができました。それはぼくにとっては大事なことだったと思います。

―― 3度目のオリンピックです。これまでのオリンピックと比べてどんな思いですか。
ジュンファン そうなんだよ~! 8年前、最初のオリンピックは緊張と喜びがすごく大きかった。4年前は、試合に出られることにワクワクしていました。コロナ禍だったので、そのなかでも試合ができることがうれしくて興奮していたのを覚えています。今回は、そうだな……あらゆる感情がこみ上げてきます。この4年間、いい結果も、大変な時間もあったけど、どんなときも立ち上がって、また強くなってこられたと思う。そういうことに向き合ってきた4年間だったので、いろんな感情が湧き上がってくるんだと思います。幸せですね。

―― 6日は、自身の試合はありませんが、旗手として開会式に参加しますね。
ジュンファン 旗手として開会式に参加できるとは、なんて光栄なことなんだと思います。その前に(団体戦で)韓国チームを応援できるのも楽しみです。じつはオリンピックの開会式に参加するのも初めてなので、ワクワクしています。

―― ショートプログラムの衣装を黒からネイビーに変えていましたね。
ジュンファン 黒もよかったんですが、もっと違う側面も見せたいなと思ったんです。色を変えることで新しい気持ちにもなれるし、自分の新しい面をお見せしたいと思って変えることにしました。でも、黒もね。

―― フリーを昨季使っていた「ロコへのバラード」に戻しましたが、衣装は赤から白へ変更しました。オリンピックでも白の衣装を?
ジュンファン 四大陸と同じ衣装を使う予定です。大急ぎで作ってもらったんですよ。プログラムを変えてから練習期間が2週間くらいしかなくて、デザイナーさんの作業期間にいたっては1週間半くらい! 大変だったと思うんですが、すごく素敵な衣装にしてもらえました。昨シーズンの赤は感情がふくれ上がる感じで、今季の白は、落ち着いた雰囲気で、誰に語りかけるような感じ。それでデザイナーさんにお願いしたところ、白を使うことになりました。

―― フリープログラムを変更したのはどうして?
ジュンファン そうだな。オリンピックを思い返してみると、いつもその4年間は自分がオリンピックでどんな瞬間を作りだしたいかを考えてやってきていました。「ムーラン・ルージュ」も本当に大好きなんだけど、「ロコ」のほうがもっと本音でいられる感じがしたんです。ぼく自身のことをより表現できる。そう思ってプログラムを変えることにしました。

―― 3度目のオリンピックの展望は。
ジュンファン もちろんいい結果を残したいと思っていますが、この数週間も考えていたんだけど、いちばん大事なのはすべての瞬間を楽しむことじゃないかと思います。結果を考える以前に、まずは楽しむことが大事だと思うので、一瞬一瞬すべてに自分の持てる全力を出して、ベストを尽くしたい。これが ぼくの目標です。

―― 団体戦もありますし、韓国チームを引っ張る存在だと思いますが、ほかのスケーターたちからアドバイスを求められることは?
ジュンファン ……。いや、みんな試合の経験がたくさんあるから!(笑)ぼく以外のみんなは初めてのオリンピックだから、みんなもすごくワクワクしていると思うな。調子もよさそうだし、ぼくがみんなのためにできることは応援くらいかな。(笑)「できるよ!」「いいじゃん!」「楽しんでね!」これがすべてです。ほんとに、ぼくらはみんなオリンピックを楽しんでいますよ。

―― 団体戦があることは、チームメンバーにとってどんないい側面があると思いますか。
ジュンファン ぼくらにとっては重要な経験になると思います。とくにみんなにとっては初めてのオリンピックで、みんなにも全部の瞬間を楽しんでほしいと思っているので、団体戦は個人戦に先んじてオリンピックを楽しめる最高のチャンスです。ぼくらがチームとして1つになれる機会でもあるから、いい経験になると思っています。

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