荒川静香さんがプロデュースする「フレンズオンアイス」の公開リハーサルが8月29日、KOSÉ新横浜スケートセンターで行われました。今年の「フレンズオンアイス」には、高橋大輔さん、宇野昌磨さん、本田武史さん、ステファン・ランビエルさんらおなじみのフレンズに加え、浅田真央さんが初参加します!
輝きを増すフレンズによる珠玉のプログラム
「フレンズオンアイス」の18回目のテーマは”宝石”。2006年に自らのプロデュースでショーを立ち上げた荒川静香は、「フレンズオンアイスのずっと変わらないコンセプトはそれぞれのスケーターの”等身大の今”。今がいちばん輝いているというのがいちばんの理想になっているので、それをジュエリーにたとえて、1人1人の輝きがリンクの上でいちばん発揮されるようにという願いがあります」とテーマにこめた想いを語る。
テーマにぴったりともいえる荒川静香と浅田真央の久しぶりの共演は、開幕前から大きな話題になった。「今回、初めてフレンズオンアイスに出演させていただくんですけれども、これだけ一緒に滑ったり、お話しすることがなかったので、すごく幸せな時間になっています。静香さんに温かく迎えていただけて本当にうれしいです」と浅田。2人はオープニングやフィナーレのほか、コラボレーションナンバーでも共演する。
さらに、高橋大輔、宇野昌磨も顔をそろえ、豪華フレンズの共演が実現。ソロナンバーだけでなく、宮本賢二振付のオープニングやフィナーレ、出演スケーターたちが自ら振付けたグループナンバーと、まさに珠玉のプログラムがずらりと並ぶ。プログラムの世界観に合わせて、浅田はロングヘアをバッサリと短くし、高橋は大胆な金髪にイメージチェンジして登場した。
公開リハーサル後の取材に応じた4人は、緊張感漂う氷上のプロフェッショナルな姿とはまた違う、昔なじみの”フレンズ”の顔がのぞく場面もあった。
荒川との思い出を聞かれた際には、宇野「衣装を忘れたときに、衣装が届くのが間に合うように(滑走の)順番を変えていただいたり、フレンズオンアイスで『トゥーランドット』のコラボレーションをやったときは、ぼくが滑れない状態だったときに、(自分のパートを)1日で覚えて代わりに滑ってくださって、もう本当にお世話になりっぱなしです」、浅田「静香さんと出会ったのは私が小学2年生のとき。当時仙台で練習されていて、その合宿に参加させてもらったのが最初で、子どもながらにすごくきれいなスケートで軽やかにジャンプを跳んでいるお姉さんがいるなと思った」、高橋「シニアに上がりたてのころ、何かのエキシビションがあったときに、ぼくらがいちばん年下だったのでコンビニに行くことに。歩いていけると聞いたのに30分以上? 2時間? けっこうさまよって、ヒッチハイクして(現地の方の車に)乗せてもらって連れて帰ってもらって――こういうのがめちゃくちゃありますね。(笑)」と、エピソードを披露。
荒川は、「みんな目を引く存在でした、ちっちゃいころから。なんて表現力がある子なんだろうと思った昌磨くん。2年生でダブルアクセルを跳んでいて、これはすごいものを見つけたぞと思った真央ちゃん。大ちゃんはすごい才能があるのに繊細で、どう成長していくんだろうと楽しみだった」と振り返り、「いま真央ちゃんとはスケート以外の話をずっとしている。(現役当時は)まだ15歳で、私が23、24歳でお互い接する機会がなかった。だから、いま(舞台)裏が楽しいよね。こんなに楽しかったんだ、真央ちゃんて」。浅田も「静香さんもこんなにしゃべる方だったんだと。ずっと話しています」と笑い合う。
いっぽうで、「もうちょっと昌磨くんともオフアイスでしゃべりたいな。あんまり話してなくて、”お野菜も食べなね?”くらい。(笑)」と荒川が宇野を見ると、「ぼく、(荒川さんとは)しゃべるほうです。本当に人と話さないんですけど、すごくしゃべりやすく話しかけてくださるので」と恐縮しつつも返答。「おれも、昌磨が全然しゃべってくれない……」と訴える高橋を横目に、「今日、ちょっとしゃべってくれました!」と浅田は満足げに笑う。「真央ちゃんは昌磨が可愛くてしょうがないって感じで見てる」(荒川)、「可愛い、昌磨。あくびだけはしないでね!」(浅田)と、レジェンドたちのなかでは変わらず弟分として愛される宇野を巡るやりとりも微笑ましい。そんな宇野は、今回の公演では恩師であるステファン・ランビエルとのデュエットも披露している。
4人のやりとりからも伝わるアットホームな雰囲気をベースにしつつ、レジェンドたちが本気で魅せる今年の「フレンズオンアイス」。8月30日から9月1日まで、各日2回公演で行われる。
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