2月13日、ミラノ・アイススケートアリーナで行われたミラノ・コルティナ・オリンピックの男子フリーは、大波乱の展開となりました。SP5位のミハイル・シャイドロフ選手(カザフスタン)が、フリーに4回転4種類5本を入れる攻めのジャンプ構成で逆転優勝。銀メダルには鍵山優真選手が、銅メダルには佐藤駿選手が入り、日本男子2人が表彰台に立ちました。世界王者イリア・マリニン選手(アメリカ)は、信じられないジャンプミスが重なり、総合8位という衝撃の結末です。
シャイドロフ金メダル、鍵山優真銀メダル、佐藤駿銅メダルの表彰台
栄冠をつかんだミハイル・シャイドロフは、3アクセル+1オイラー+4サルコウという2本目に4回転をつけるオリンピック史上初成功のジャンプをはじめ、4回転4種類5本で高い得点を稼ぎ、フリー198.64点、合計291.58点。カザフスタン勢がフィギュアスケート競技でオリンピックメダルを獲得したのは、2014年ソチ・オリンピック銅メダルのデニス・テン以来で金メダルは初。シャイドロフは金メダルが決まった瞬間ショックと感激で口元を覆い、「どう気持ちを表現していいのかわからない。信じられない」と語った。1994年リレハンメル・オリンピック金メダリストのアレクセイ・ウルマノフコーチとの師弟でのオリンピック金メダルとなり、ウルマノフも愛弟子の快挙をたたえた。シャイドロフは、2025年世界選手権銀メダリストで四大陸選手権チャンピオン。憧れのスケーターは羽生結弦で、「羽生結弦を尊敬しています。ぼくにとって、非常に素晴らしいお手本であり、彼の滑りも技術もとても尊敬しています」と話した。
SP2位の鍵山優真は、フリー冒頭の4サルコウの着氷が乱れ、4フリップでは転倒を喫するも、イタリアの観客からの声援にこたえてミスを引きずらないトップスケーターらしい演技を展開、合計280.06点で前回大会に続いての銀メダルを獲得した。佐藤駿はSP9位から追い上げ、ほとんどミスのない演技をしっかりとまとめ上げて、合計274.90点で銅メダルに輝いた。幼いころから競い合ってきた”ゆましゅん”が波乱のなか自分たちの実力を発揮し、表彰台に並び立つうれしい結末。日本男子の複数メダル獲得は、2018年平昌大会(羽生結弦が金、宇野昌磨が銀)、2022年北京大会(鍵山優真が銀、宇野昌磨が銅)と3大会連続での快挙だ。
世界選手権2連覇中でSP首位のイリア・マリニン(アメリカ)は、フリーの冒頭4フリップをあざやかに成功させたものの、その後4アクセルをパンクするなど信じられないジャンプミスが重なり、フリー156.33点、合計264.49点で総合8位という衝撃の結末。マリニンは悲痛な表情を浮かべたが、優勝が決まったシャイドロフに歩み寄って祝福するスポーツマンシップを見せた。マリニンは「正直なところ、何が起きたのか自分でもまだ理解できていません。いろいろな感情が入り混じっています」とぼうぜんとしつつも気丈に振り返り、「スタート位置についた瞬間、ネガティブな考えがあふれ出し、対処できませんでした」とコメントした。
4位は、3大会連続出場のチャ・ジュンファン(韓国)、5位はオリンピック初出場のカナダ王者スティーヴン・ゴゴレフ(カナダ)、6位は昨年のオリンピック最終予選会で優勝し、AINとして出場したピョートル・グメンニク。SP3位のアダム・シャオイムファ(フランス)はフリーで失速して、総合7位に終わった。





