2026年1月27日
京都・宇治のホームリンクでオリンピックに向けた練習を公開!

千葉百音がオリンピックで演じるジュリエット「悲劇のなかで逞しく幸せに生きる姿を見せる」

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2月6日から始まるミラノ・コルティナ・オリンピックに出場する千葉百音選手(木下グループ)が1月16日、木下アカデミー京都アイスアリーナで練習を公開しました。千葉選手、濱田美栄コーチのコメントとともに練習の様子をレポートします。千葉選手は、25日に閉幕した四大陸選手権で自身3度目の表彰台となる3位に入り、初めてのオリンピックへ向かいます。

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多角的な指導で完成させる「ロミオとジュリエット」

公開練習の日、千葉百音の練習はリンク内にあるスタジオでのバレエレッスンからスタートした。アカデミー生が受ける基礎のクラスと平行して、今シーズンから現役バレエダンサーの岸村光熙さんの指導のもと、身体と感情の表現を学んできたといい、この日はフリー「ロミオとジュリエット」を中心とした練習が行われた。ストレッチやエクササイズで体の動かし方を確認したあと、スケート靴ではなく、バレエシューズを履いて、スタジオのフロアでフリーのランスルーを行う。軸足のどこに重心をおけばのびのびと脚を上げられるか、腕を動かすときはどこの筋肉を意識すると力強く見えるかなど、細部まで明確な指導が入った。「岸村先生は筋肉博士。自分もそのくらい自分の体や動きについて、自分自身を知り尽くしたいと思っているのでいつも本当に勉強になります」と千葉も信頼を寄せる。

岸村光熙さんの指導を受ける千葉百音 ©World Figure Skating/Shinshokan

また同時に、「ロミオとジュリエット」の物語はクラシックバレエでも有名な作品とあり、4分間のなかでのジュリエットの感情の動きや、感情を伝えるための体の動かし方など、ストーリーテリングの部分でもアドバイスが飛んだ。先生から指導を受けて、千葉は「自分がジュリエットと同じ立場だったらという立ち位置で演技する」と役柄を落とし込んでいるという。

いっぽうの氷上練習では、濱田美栄コーチが見守るなかで、SP「ラストダンス」とフリーの曲かけや、ジャンプの感触を確認した。4回転ジャンプにもトライする場面があり、濱田コーチは「体の軸の部分がしっかりしてきて、4回転をすることによって3回転が楽になる。少し上の技にトライすることで、いまの技が簡単に感じるので、いまはプログラム本番で入れるわけではないけれどやっています」と練習の意図を語った。

2023年春に「ミラノ・コルティナ・オリンピックに出たい」という目標をもって、地元仙台から宇治の濱田コーチのもとへ移った千葉。2024年に四大陸選手権で優勝、昨シーズンはグランプリファイナル2位、世界選手権3位となり、オリンピックでのメダル争いも見える絶好のかたちで有言実行を果たした。濱田コーチは「自分のやってきたことを出し切る楽しさを感じてほしい」としつつ、「みんなに(メダルの)チャンスがあるのではないかと思う。見方によって、みんなそれぞれ違うよさがあるのでおもしろい。いいところも、ちょっと足りないところも、それぞれあってわからないですね」と、真面目な教え子への柔らかな期待を語った。

濱田美栄コーチ「それぞれの頂点の目指し方がある」

 スケート自体がうまいと思います。よく滑るし、無駄な音も出ない、スケートがきれいな選手。オリンピック独特の(緊張感)はあるけれど、それは経験するしかないので、そこは出たとこ勝負かなと思います。私が(これまでのオリンピックで)見てきたことを一応話しはしますが、経験するしかない。体全体で自分の表現ができるように、怖がらずに思い切りいってほしいと思います。

(移籍からの3年間は)まず、ジャンプの質、エッジの質を見直すということ、フリーレッグを置く位置とか、地味なことをすごくやりました。私が思っていた以上にスケーティングの質は上がった。努力家です。高校生くらいになると、そういう地味な基本をしない人も増えてくる。大技ばかりになって基本を忘れてしまいがちになるし、地味なことはおもしろくないし、パッと評価してもらえることではないけれど、(ここまで上達したのは)毎日の積み重ねだと思います。百音ちゃんだけじゃなくて、選手たちにはそれぞれの頂点の目指し方が違うということは、すごく話をしました。例えば4回転で勝負してもいいし、スケーティングで勝負をしてもいい。頂点へ登る道はそれぞれに違うので、ひとの道を行くと絶対にだめだと思うから、自分の登り方をちゃんと貫きなさいと言いました。

(試合での演技が)どれだけよくても悪くても、キス&クライには降りてきなさいと言います。すごくいいフリーをしたあとに自信がありすぎても思い上がりになるし、悪かったあとに後ろばかり見て運転していたら事故を起こすし、うれしくても悲しくても降りていらっしゃいと。あそこでは全部が過去になるのでね。それは、いいときも。「私もうれしいけどここに置いて帰ろう」と言っています。自分たちは恥ずかしいって落ち込むくらいのフリーをすることもあるけど、人として落ちているわけではないので堂々としておきなさいと。いいときも悪いときも、人のすることだからある。私も次の日リンクに行くのが恥ずかしい、足が重いなと思う日があったときに、母から言われてそうだなと思ったので、それは選手たちにも伝えています。

>>次ページ:千葉百音コメント「最初のオリンピックは一度きり。楽しみたい」

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