12月14日、日本スケート連盟×ポケモンによる「ポケモンスケートチャレンジ~めざせ トリプルアクセル~」のスケート教室が開催されました。会場は今週末から全日本選手権が行われる国立代々木競技場第一体育館。特別講師としてアルベールビル・オリンピック銀メダリストの伊藤みどりさんが参加、ゲスト講師には全日本選手権の歴代チャンピオンが揃い、さらにはピカチュウたちもスケート靴を履いて応援に駆けつけたスペシャルな教室をレポートします。
歴代全日本チャンピオン×ピカチュウ
19日からの第94回全日本選手権開催を前に、国立代々木競技場第一体育館のリンクに全日本選手権歴代チャンピオンが勢ぞろいした。藤井辰哉(第58回男子シングル)、本田武史(第64、65、68、69、71、73回男子シングル)、竹内洋輔(第70回男子シングル)、高橋成美(第77~80回<マーヴィン・トランと>、第82、83回<木原龍一と>ペア)、河合彩&田中衆史(パートナーとして第65、66回アイスダンス)、そしてなんといっても伊藤みどり(第53~60、64回女子シングル)だ。錚々たるメンバーがゲスト講師として子どもたちを迎えた。

集まった小学生の子どもたちは、フェンスにつかまって立つところからスタート。いざ練習というタイミングで、ピカチュウがスケート靴を履いてごあいさつに登場した。なんと今回はピカチュウが2匹で駆けつけ、2匹仲良く子どもたちにとびきりのエールを送った。
練習は、4つのグループに分かれ、氷の上で立つ、歩く、上手に転ぶ、立ち上がる、滑ると段階を踏んで進んでいく。スケートを習っている子、少し滑ったことがある子、まったく初めての子など、参加者たちそれぞれの進捗に合わせて講師陣が手を取りながら指導し、終わるころにはみんな1人で滑れるように。
現在はジャッジとしても活動する藤井さんは、「まったくよちよち歩きだった子が30分の練習で劇的に滑れるようになるのを目の当たりにしてびっくりしました。見ていてうれしかったです」と、子どもたちの成長ぶりに目を細めた。また、リンクサイドでは参加者の保護者たちも成長を見守り、田中さんも「子どもたちが楽しんでいる姿を見るのはやっぱりうれしいですし、子どもたちをリンクサイドで応援している親御さんたちを楽しませてあげられたのも喜びです」と語った通り、親子でスケートを楽しめる時間にもなっていた。
途中、ピカチュウ(♂)も再び氷上に現れ、転んだ子どもを励ましたり、ときにはお手本(!?)を見せてコーチ陣のお手伝いをしたりと、子どもたちを大いに盛り上げた。今回のスケート教室に参加したまえだこなつさん(小学3年生)は、「ポケモンが好きで興味をもったからきてみて、おもしろかったです。できるかどうかわかんないけど、がんばればできるかなって、やってみました」と、ピカチュウがきっかけで参加した1人だ。
コーチとして選手の指導にもあたる本田さんは、「子どもたちが、”スケートをやりたい”というよりも、”ポケモンに会いたい”というのもきっかけの1つじゃないかなと思います。それで全日本の会場で滑れた経験も、いつか『全日本の会場で滑ったんだよ!』という思い出にもなると思うので、すごくいいきっかけだったんじゃないかな」と言い、高橋さんも「ピカチュウと滑れたのが私たちも夢のようで、楽しくてうれしかったです。子どもたちもピカチュウを見て真似して上手になっていてよかった。講師が(お手本を)見せても『無理!』と思っちゃっても、ピカチュウが見せるとみんなやる気が出て、すごくいい環境だった」とピカチュウ効果の実感を語った。
特別講師として子どもたちの手を取り、個々に声をかけながら指導した伊藤さんは、「伊藤みどりを知らなくてもポケモンとスケートをしたいとか、親御さんたちが伊藤みどりや歴代の人たちが来てくれるということで(興味を持った)とか、参加してくれることにすごく意義がある。私は全日本やNHK杯は代々木が多かったので、今日久しぶりに代々木で滑れたのはうれしかった」と振り返った。実際に伊藤さんの指導を受けた参加者の吉崎茜さん(小学3年生)は、スケートに挑戦するのは今回が3回目といい、「楽しかったです。(先生たちは)滑るのがすごくきれいでした。もう1回やってみたいです」と感想を教えてくれた。
教室での指導を終えて、日本スケート連盟フィギュア強化部長の竹内洋輔さんは、「我々は全日本という場も含めて歴史を紡いできたと思う。もしかしたらここで参加した子たち、これが1つ、また新しい歴史を紡いでいく機会にもなったかもしれないですし、いまスケート連盟が、今回の全日本チャンピオンも含めたスケートの歴史、『こういう方々がいたんですよ』ということを、新たにまた広めようとしている場にもなっている。過去と未来とをつなぐいいイベントになっているんじゃないかと思います」と振り返った。
じつは12月14日は、ISU(国際スケート連盟)が、スケートを通して人々がコミュニケーションをとり普及を促すべく定めた今年の「世界アイススケートデー」。レジェンドとピカチュウがフィギュアスケートと子どもたちをつなぎ、その子どもたちがフィギュアスケートの過去と未来をつないでいく。スケートの輪がまた少し広がるきっかけのイベントとなった。
代々木はスケート教室から全日本会場へ
そして、いよいよ19日(金)から、子どもたちが未来への1歩を滑ったこのリンクで、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック代表の最終選考会を兼ねた全日本選手権が始まる。
河合さんが「いまインストラクターをしていてすごく思うのが、全日本に(出場権を得られず)来られない人たちがうんといるということを知ってほしいということ。この舞台に立つだけですごく大変。舞台に立つ選手は自分に誇りに思って、自信を持って臨んでほしい」と語る通り、全日本選手権はすべての選手にとってそれぞれに特別な舞台。
全日本選手権通算9回の優勝を誇る伊藤さんは、「私といえばトリプルアクセル。いまはトリプルアクセルが当たり前の時代になってきているし、男子は4回転を跳ばなければ勝てない、世界と戦えない時代。ここ全日本選手権で活躍できれば、もう世界で活躍できるとイコールなので、どの選手も自分のベストの演技で全日本選手権、オリンピックに向けて怪我のないようにがんばってもらいたい。がんばっている姿を見るのを楽しみにして見たいと思っています」と、応援と期待を語った。
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